総工費が高すぎると批判され計画の白紙撤回に追い込まれた新国立競技場。そもそも最初に予定されていた「1300億円」で、よかったのだろうか。

 

■要求多すぎて工費が膨張?

 1300億円→3千億円→1852億円→1625億円→2520億円。

 2011年の招致開始以来、新国立の総工費は揺れてきた。最初の「1300億円」が出てきたのが、日本スポーツ振興センター(JSC)が12年に行い、ザハ・ハディド氏の案を選んだ国際デザインコンペだった。要項に「総工事費は約1300億円程度を見込んでいる」と記されていた。

 

 その時の根拠について、JSCの山崎雅男・新国立競技場設置本部長は、13年11月の自民党無駄撲滅プロジェクトで説明している。約600億円の日産スタジアムを「ベースにした」とし、「可動式椅子や開閉式屋根」といった必要設備を上乗せした結果、約2倍の1300億円になったという。JSCによると、海外のスタジアムも参考にしており、それらを「独自に積算した数字」という。

 

 建築エコノミストの森山高至さんは、根拠を「坪単価」と推測する。世界と日本のスタジアムの坪単価は平均150万円だという。募集時に約9万坪だった新国立は「150万×9万=1350億円」。ただ、3・3万坪ほどのロンドン五輪スタジアムに比べると、新国立はかなり巨大。「VIPルームとか、多方面からの要求が多すぎて面積が通常の倍以上になり、金額も高くなったのでは」と指摘する。

 

 取り壊された旧国立競技場は1958年にオープン。この時の総工費は約13億5千万円で、1300億円はその100倍。58年と現在では、GDPが約40倍、消費者物価指数は約6倍。総工費の膨らみ方は、かなり大きい。

 

■ムダを省けば「最安800億円」

 では、新国立は、最安いくらでつくれるのか。

 12年のコンペに応募した構造家の渡辺邦夫さんは、「約800億円」とはじく。渡辺さんらのチームがコンペに出した設計案の総工費は概算で1246億円。そこから、必要ない機能と金額を洗い出した。地下駐車場の工費や材料費80億円▽開閉式屋根の本体と機械50億円▽可動式の観客席と天然芝の構造物と機械計20億円。さらに、空調や照明などの設備、床や天井などの仕上げ材、柱や梁(はり)の材料のグレードを下げ270億円削減。細部も合わせ計約440億円安くなる。

 

 

 渡辺さんは「五輪後のイベント利用のためには開閉型屋根は必要。建設予定の神宮の敷地は狭いので、地下駐車場もいる」とし、その費用約200億円を含む1千億円前後が総工費の「相場」とみる。ただ、「神宮につくる必要性はない。湾岸部につくれば、コストも工期も効率的になる」と主張する。

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